学生読書日誌

ハッピーヘブンのふきだまり

主に読書感想文をかきます

書評:『イシューからはじめよ』

「根性に逃げるな」(本文より) いかに社会人二回目の月曜日を迎えようかと気構えながら、日曜の夜に書いています。 昨日の今日でビジネス本の書評記事なんて、意識が高いというより浮き足立ってるって感じですが、絶望しているよりはきっと健全だろうし、…

学生やめました

もとい、就職しました 新年度で忙殺されており、久々の投稿となります。 今回はいわゆる卒業エントリってやつです。(もはや関東ではさくらに緑が混じり、周回遅れで旬を逃した感が漂いますが……) 先月末に東北大学を卒業して学位をもらい、学生の身分を喪失…

退屈を打倒したい

組曲『惑星』を聞きながしながらキーボードを叩いている。ジュピター以降の部分が全部似たような曲に聞こえて識別できねぇ。 自分語りは半ばライティングマラソンみたいな感じで、他人に読みやすく感じてもらいたいとか、論理の構成を整えないといけないとか…

最強のリテラシー教本『知的複眼思考法』

「自分で考えろ」というのはやさしい。「自分で考える力を身につけよう」というだけなら、誰にでもいえる。 そういって考える力がつくと思っている人々は、どれだけ考える力を持っているのか。(本文より) はい。 引用部分はまえがきからとったのですが、挑…

売り手市場で死ぬほど苦労した18卒による、就活教訓4選

喉元過ぎて熱さを忘れているのもどうかと思ったので、散々苦労させられ、大学生活後半をがっつり費やすことになった就活について軽く書いてみたい。 つっても過程を逐一書くのはダルいので、いくつかを自分が得た教訓としてまとめてやってみる。 考えの甘さ…

「ライティングマラソン」にチャレンジしてみた

最初にライティングマラソンについて 以下にリンクした、作家の人が書いているブログにて紹介されていた、文章トレーニング法の一種らしい。 とにかく、内容の矛盾、誤字脱字、レイアウトなど、文章を評価する際の基本的なことをぜーんぶ無視した上で、脳み…

2017年読んだ本10選(後半)

kyuteisyukatsu.hatenablog.com 2017年に読んだ本を10個選んで紹介企画。 こないだ公開した記事の後編やっていきたいと思います。 『蜜蜂と遠雷』恩田陸 『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク 『銃』中村文則 『機龍警察シリーズ』月村了衛 『サピ…

古典SF『幼年期の終わり』 の感想・考察

うじうじと過去を懐かしむようなことだけはしたくなかった 。余生を過ごしていけるだけの物資はある 。 何より欲しかったのは 、電子ピアノとバッハの楽譜だった 。これまでは音楽に時間を費やすことができなかった 。それをいまから取り返そうと決めていた …

2017年に読んだ本10選 前半

あけおめです。三日坊主に定評のある自分が、なんやかんや一年ブログを継続してたっぽいです。 時分柄、それっぽいことをやりたくなったので、2017年に読んだ本の中からオススメを簡単に紹介しようと思います。 長いですがよろしければ。 5:5で前後半に分け…

コスパ思考の呪縛

タイトル通り、コストパフォーマンスについて考えてみた。 自分の不合理なカネの使い方への自戒と、そのちょっとの正当化が目的である。 極論と詭弁成分が多めだが、割と真面目に考えたので読んでもらえると嬉しい。 コスパとは コストパフォーマンス【cost …

『ライ麦畑でつかまえて』ネタバレ感想

「兄さんは世の中に起こることが何もかも嫌なんでしょう」(本文より) 最近、文末のバリエーションをはじめとした語彙力の不足による不自由を感じております。 なので、よりストレスフリーに書くために常体でやってみようと思います。 (「いや大してボキャブ…

現代の情報戦小説、『プロパガンダ・ゲーム』を読みました

お久しぶりです。最近、文章書いてお金になんねーかなぁとか思いつつクラウドワークスとかランサーズとかを眺めていたのですが、やっぱりああいうサイト経由の案件だと、時給制のバイトしてた方がいんじゃね?って思っちゃいますね笑それでいてノルマ縛りな…

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』を読みました

以前購入報告だけして、残り3分の1ページ程度で積んでいた本作ですが、ひとまず読みきりましたのでこれについて書こうと思います。学問としての文学、メタな視点、俯瞰的思考、哲学、皮肉(笑)などが好きな人にはすごくオススメの本でした。この本の主題はず…

伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』を読みました

この週末、仙台ではストリートジャズフェスティバルなる催しが行われ、街中は歌やアコースティックバンドで賑わい、夏の終わりの寂寥感を吹き飛ばす様な活気に満ちています。自転車移動が億劫になるレベルで道が混むのがたまにキズですが、こうしたイベント…

『読んでいない本について堂々と語る方法』をまだ読んでいません

ついに列島から雨雲が過ぎ去りましたね。家、バイト先、チェーン店を往復する最高に勿体無い夏休みを送っているインドア学生といえど、1ヶ月ぶりの快晴には心が踊ります。今日はピエール・パイヤール著『読んでいない本について堂々と語る方法』を買い、バイ…

8/23

ようやく空が晴れたからか妙に元気なので、久々に。先ほど内定先支社にて課されたTOEIC試験が終了しました。現状の英語力のまずさを実感しつつも、解放感に抗えず小説を読んでいます。大学生活ではご多分に漏れず、すっかり、受験期の蓄積を腐らせてしまった…

就活終了しました

タイトル通りです。就活終了です。こないだ書いた記事のうちの最終面接で無事内定を取り、約1年超の就職活動が無事終了しました。口座か焼け焦げ、母親に泣きつき、どうなることかと思ってはいましたが、上手いこと終わって本当に何よりです。取り急ぎは英語…

7/27

何を読んだわけでも見たわけでも語りたいわけでもないんすけど、とりまの日記です。こないだの感想記事が出版社の広報アカの目に留まったぽいんですけど、RTはしてくれませんでした。限界オタク感出してたからかな。さて、現在リスクヘッジで内定持ってる企…

柚木麻子『BUTTER』:しがらみに苦しむ現代人にオススメの直木賞候補作

"「何からも追い詰められていない人間を見ると心が苛立つように、誰かにコントロールされているみたい。前にダイエット強制するようなこと言ってごめんね。なんだかね、やわらかくて豊かでのんびりしていく里佳を見ると、不安になったの。恥ずかしいけど、私…

就職戦線異状有り

就活全落ちしました はい。 16年5月末ごろから、国家公務員への道を絶ち民間企業のサマーインターンに応募を初めて苦節1年1ヶ月、本選考に乗り始めたのは11月末なので厳密には7ヶ月。現在の選考中企業、ゼロです。0。零。○。ベンチャーを中心に35社ほ…

最高最悪の映画『22年目の告白 -私が殺人犯です-』を観ました

おはようございます。今日も面接前の暇つぶしに、御苑前のファミレスからお届けしております。内定は未だ出ません。誰かwebライターとかのオファー下さい。笑えない冗談はさておき、久々にパワーがある映画を見たので感想書きたいと思います。核心部分のネタ…

夏目漱石『私の個人主義』を読みました

就活の持ち駒が欠乏している状況ですが、構わず読書に浸っております。しゃーないっすね。夜行バス疲れたし。結局人生いかに(公共の福祉の範囲で)楽しむかですよ。他人との比較を辞めて、自分が充実できるコトを見出せてれば、多少内定が遅れたって大した問…

ベンチャー企業適性とは何か

振り返ればもう1年以上も就活していることになる。学部3年のこの時期から東京通いしていたと考えると、親と学生支援機構とバイト先に頭が下がる思いだ。 我ながら、日頃から傲慢で恩知らずな人間だと自負しているところではあるが、ぼくの生活にカネを出して…

恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読みました

"彼女はいつもあそこを見つめていた。 何が見えるのだろう。 今、何を見ているのだろう。 明石は不意に熱く苦いものが込み上げてくるのを感じた。 俺もあそこに行きたかった。彼女が見ているものを見たかった。 いや、ほんの一瞬かもしれないが、見たと思う…

月村了衛『機龍警察 完全版』を読みました

いきなりですが、皆さんには「自分はこう生きていくのだ」という強烈な行動原理、軸、生きる意味だというようなモノはありますか?それは夢でも、職業意識でも、宗教でも、人間関係でも、正義感でもプライドでも全く構いません。病気や障害であったとしても…

自分探しは"病気"なのか?

久しぶりの更新である。なんだかんだ、年度明け以降ざっくり2週間以内くらいのペースでは更新を継続していたという自分に驚き。緩く長く続けていきたい。相も変わらず就活中で都内にいるわけだが、早朝の時間潰しにファミレスで読んだブログ記事が面白かった…

アメスピメンソール9mm

新宿のコメダ珈琲で説明会までの時間を潰していたら、煙草の話をしたくなった。嫌煙家の方は画面を閉じよう。 ぼくは比較的ヘビースモーカーで、しかも煙草をころころ変えるタイプの人間だ。雑食といった方が適切かもしれない。 「ピースとハイライト」はど…

中村文則『教団X』を読みました

「誰に何と言われようとも、私は全ての多様性を愛する」(本文より) 今回は、芥川賞作家中村文則の『教団X』についての感想です。 (可能な限り)短めに締めようと思います。 この本は、著者が「現在の自分の全て」と語るほどの力作で、ぼく自身本屋で見たとき…

アウェー感

住めば都、郷に入れば郷に従え、朱に交われば赤くなる、等々、環境への順応に言及することわざは数多くある。 田舎だなんだと悪態を吐きながらも、実家、大学、職場のある街に安心感を覚えるようになっていたなんて経験はよくある話だ。 裏から言えば。 駅に…

不感症

「臥薪嘗胆し過ぎて味覚障害」なんて歌詞が某バンドに有るらしいが、最近の心境はそんな感じだ。 年明け前までは、主にコンプレックスを原動力に就活を続けてきた。 自分より早く内定を得ている学生への焦り、お祈りメール(同情するなら選考通して)への落胆…