学生読書日誌

ハッピーヘブンのふきだまり

主に読書感想文をかきます

偏頭痛は繊細で線が細くSNSで主張が強いタイプの方々にしか生じない現象だろうと高をくくっていたことを謝罪します

No More レッテル, No More バファリン

頭が痛い。たぶん偏頭痛と呼ばれるタイプの頭痛だ。 セルフイメージと、偏頭痛という症状の乖離が酷い。気圧の折れ線グラフをチェックするだなんて自分とは無縁だと思っていた。
しかし、厳然たる痛みの前ではそんなギャップはどうでもよくなり、頓服の頭痛薬を飲んで頭を抱えるしかなくなるのである。目の奥から発せられる謎の刺々しい圧力に悩まされながら、頭を抱えるジェスチャーって実在するんだなぁなんてことに気づいた。
「目玉が飛び出る」なんていう表現も、本来は驚きを形容する慣用句だったはずが、 最近の自分の中では頭痛を表す言葉になってしまった。

不条理との付き合い方

社会人になってから、シーズンに1,2回程度の頻度で偏頭痛が顔を出すようになった。
今日はその四半期に1つの不運な日だったようで、寝起きから目に違和感があり、小一時間するとそれが一気に痛みに転じた。
とにかく目の奥が痛くて日本語を読むのもかったるい。ましてソースコードなんて読めるはずもなく、リモートワークを良いことに一切の仕事をサボって「ウー」とか「あぁー」とか悶えながら床で転がっていた。
床に転がる以外で出来たことといえば、「脳の血管収縮を促すためにニコチンとカフェインを摂れば少しはマシになるのか?」とそこまで吸いたくもない煙草を吸うために換気扇の下へ出向いたり、痛みが本格化する前に回した洗濯機のアラームに悪態をついたりくらいである。

偏頭痛というのは人間に生じる不調の中でも特に根治が難しい類の症状らしく、ネットで調べる限りでは、ストレスだったり気圧差だったり程度の見当しかつけられない。
完全リモートワーク&完全フレックスなんて働き方からストレッサーを見出せるほど贅沢になっているとも思えないし、気圧の変化に原因を求めるにしては大した相関も無さそう。

ところで、現象に説明をつけて安心したいというのは人間の本能的な欲求らしい。
しかし、理由の見つからない不都合について「そういうこともあるか」と思えるようになれれば、こういう事態に見舞われたときに長い目で見て回復が早いのではなかろうか。そもそも、世界は秩序だっていて、現象が帰属する原因が必ず存在するという考え方は人間の持つ大きなバイアスの一つであり、それは現代においても変わらないのである。
原因不明な体調不良というのはまさに理不尽という感じがするが、そんな風に考えられればメンタルだけはやられずに済みそう。

話題の飛躍を感じる。

最近読んだ本が公正世界仮説を紹介したり科学と信仰の関係を論じていたりしたのがこんな思考回路に至った原因なので、その点はいつもながらタイムリーというか短絡的な感じ。

だが、予測不可能な頭痛の訪れに立ち向かえるなら何でもいいのである。
頼むから、目玉ノックをやめてくれ。