学生読書日誌

ハッピーヘブンのふきだまり

主に読書感想文をかきます

本の話

中村文則『悪と仮面のルール』を読みました

"……その人間が幸福だったか不幸だったかは、その人間が寿命とか病気とかで死ぬ寸前まで、わからないじゃないか。……何かの温度がさ、過去であれこれからの未来であれ、その人間の長い人生のベクトルの線のどこかに、いくつかあるはずだよ。"(本文より) 最近サ…

伊藤計劃の『ハーモニー』を読みました

もしかしたら、誰もがこのゲームから降りたがっていて、けれど世間の空気というやつがあまりに手ごわい関門なので、降りることを諦めてしまっているのではないだろうか。 人は見たいものしか見ない、なんて言葉は様々な作品でそれっぽく意味深に語られますが…

岸本佐知子『なんらかの事情』を読みました

駅前のカフェで本を2冊読む、文化的な休日を過ごしたので感想書いていきたいと思います。 今回読んだのは岸本佐知子の『なんらかの事情』。妄想とエッセイが半々になったような短編集です。 著者の岸本さんについては全く知らなかったのですが、本業は翻訳家…

芥川賞受賞作『コンビニ人間』を読みました

駅前の丸善で買った本が中々面白かったので、久々の感想文スタイルでいこうと思います。 今回読んだのは第155回芥川賞受賞作、村田沙耶香著、『コンビニ人間』です。 あらすじとしては、コンビニアルバイトだけが生きがいの36歳未婚女性の社会との関わり方の…