岡本太郎がすげぇって話
昨晩、今年はじめてクーラーをつけて眠ったら寝起きがメチャメチャ良くてびっくりした。寝起きの頭の重さに悩まされていたが、そろそろそういう季節なのか。
カフェインを暴飲しようがブルーライトの直射を浴びようがスッキリ起きれることもあれば、寝る前にいろいろ気をつけても、起き抜けの不快感はむしろ増したりもする。睡眠に何が効くか、というのは永遠の難題だ。QOLに直結する分タチが悪い。
そんなノリで起きた土曜だが結局正午過ぎまでダラダラしており、Youtubeのサジェストを2周くらいした後なんとなく読んでいたのが岡本太郎のエッセイ『自分の中に毒を持て』だった。
もはや自分がいつポチったのかも覚えていないし、岡本太郎で連想するのも「太陽の塔」「芸術=爆発」とかそのくらい。なぜ買ったのかすらもよくわからない笑
しかし、ラーメン屋の待ち時間を持て余してカウンターの「当店おすすめの食べ方」を読む、みたいなスタンスで開いたこの本、思っていたより刺さった。
要約すると「三日坊主上等。興味に抗うな」「駄目なときはしゃーない。駄目さを受け入れろ」「とにかくなんでもやれ」「自分との戦いが全て。他人を行動基準にすんな」といった雰囲気。
まあエッセイだし賛否は人それぞれだろうが、個人的には違和感なく入ってきた。
面白いのが、最近の心理学とかメンタルとかでも「セルフ・コンパッション」という文脈で似たような主張が流行っているところ。「ハーバードの〜〜」とかそういう売り文句のビジネス書も自分は割と読んでいたけれど、ホントに内容が似てる。
第一版は25年くらい前に出版されたらしいが、「なんか破天荒で有名っぽい」という岡本太郎への浅ーーいイメージからすると、(思想には流行り廃りがあるのを割り引いても)思ったより普遍的なことを言っていて意外な感じ。
今書きながら思いついたが、彼が破天荒だとか型破りだとか言われていたのは、昭和の時代との対照性も大きいのかもしれない。
「個人のメンタル充実主義」とでも言える彼の思想と、それを曲げずに体現してはばからない彼の生き様は、「周りのアイツラより出世して稼ごう」「足並み揃えて皆のために頑張ろう」みたいな価値観の中では確かに異色だろう。昭和、生まれてないから知らんけど。
岡本太郎、案外現代の若者と話があうかもしれない。
さて、思想が流行る土壌がその時の社会情勢に有るのと同じで、ある本を手にとってそれが刺さるかどうかも読者の感受性次第だ。つまりタイムリー性が全て。
この本を読んで楽しめたのも、最近自分がそれっぽい生活を心がけているからかもしれない。
エンジニアとして配属されて約半年、いろいろと思うところや心労があった。しかし、上を見れば理系院生や海外のコンピュータサイエンス専攻がゴロゴロいる中で他人とスキルを比較しても仕方がない。物差しは自分の過去にしか無い。
また、そこそこ金銭的に余裕が出たことで、「このまま自分のためだけに生きるのって限界じゃね?」としばらく虚無に浸っていた時期があった。しかし最近は、開き直ってやりたいことを追求する私生活を送れている気がする。
俯瞰的に自分を見つめてみれば、突発的な鬱くらいには立ち向かえる熱の種がどっかしらに残っているものらしい。何もないなら休めばいいし。
例えば最近、下手の横好きながらエレキベースをいじくり回しているが、これがやってみると無心になれて気持ちいい。「いやいや、今更音楽始めるとかww」という自分は楽器をポチった瞬間にいなくなる。ひねくれた自意識を殺すには行動有るのみだという貴重な学びを得た。
(↓今挑戦している曲:イギリスのロックバンドBring Me The HorizonのThrone。イントロから超テンション上がるイケてる曲)
Bring Me The Horizon - Throne (Official Video)
読書と生活のオーバーラップについて一般論を書くつもりだったのが、例のごとく自分語りに陥ってしまった。まあ個人ブログだししゃーない。
とりあえず、BMTHはいいぞ。