学生読書日誌

ハッピーヘブンのふきだまり

主に読書感想文をかきます

ベンチャー企業適性とは何か

振り返ればもう1年以上も就活していることになる。学部3年のこの時期から東京通いしていたと考えると、親と学生支援機構とバイト先に頭が下がる思いだ。

我ながら、日頃から傲慢で恩知らずな人間だと自負しているところではあるが、ぼくの生活にカネを出してくれる主体が3つもあるのは素朴にありがたい。

今日は某急成長IT企業の人事と面談してきたワケだが、結論としては思想の不一致による選考辞退という形になった。妥当な結果ではあったが、色々考える契機になったので記事にあげる。

当該面談では、マッチングを測るという名目で自己の志向性と会社の志向性を話し合った。まあどこの民間企業でもやっている面接スタイルだ。

ぼくの"現状の就活の軸"はざっくり以下の通り。

1.事業領域のポテンシャル(成長性、先進性)

2.年功序列ではなく、複数の専門性が得られること

3.構成員の価値観、性格、バックグラウンドの多様性

4.事業や組織のレア度

抽象と具体はワンセットにすべきとよく言われているのでそれぞれ説明する。

1については生活基盤を固めるために合理的だから。また、技術に対する知見を広げたいから。

(この点は、社会を改革しうる力の有無、と面接で表現している笑)

2について、現代日本の労働者として、自分の需要を確保したいから。スピード出世したいから。

3について、自分の知見を広げたいから。もっと言うならば、画一的な組織にアレルギーがあるから。

4について、どうせ組織に入るならそこでしかできないことをしたいから。

正直、"軸"として価値観を就活カスタマイズした時点で実態と逸れる独り歩きしたモノになると思っているので、誤解を招かぬようまとめると、要するに「面白そうか否か」が判断基準だ。

これは裏から言えば、自分が楽しく人生を送る一助たり得るかどうかであり、自己中心的との批判も逃れ得ぬだろう。(だからなのか、「腹を割って話そうぜ」的面談を組まれると評価が急落しがち)

以上の要件だとベンチャー企業が妥当だと思っているのだが、ここで齟齬が生まれがちなのが「理念共感性」「待遇」の観点である。

上記の通り、ぶっちゃけぼくはかなり自己中心的視点で企業を選んでいる。この姿勢自体は全く間違いだとは思っていない。その私欲が会社の利益たりうることを表現できるか否かだろう。(もっとも、ぼくはその点でかなり苦労してきたワケだが)

つまり、「意識高い」からベンチャー志向な訳では全く無い。理想に燃える様なタイプではなく、合理的選択をとろうとしているに過ぎない。

ベンチャー企業相手に就活していると、理念共感性の要求度が高い宗教的な企業があったり、貴重な経験!圧倒的成長!ビバ長時間労働!といった待遇度外視の風潮があったり、ぼくとしては中々難儀なところである。

もちろん理念、ビジョンに対する共感や賛同は組織として最低限要るだろうし、制度が整い切っていないぶん多少の残業なんかもすることになるだろう。ただ、共感はあくまで共感に留まるべきであって「信仰」に至るべきではないとぼくは思うし、毎日終電ごえ&みなし残業30時間なんて待遇は、ぼくには「企業の鉄砲玉」にしか見えない。

真に社員を「同志」と表現するなら、社員持株会くらいは作って欲しいところである。史上の武士達だって、領主や幕府の「御恩」があるからこそ命がけの「奉公」で返していたのだ。返礼のない盲信は、まさしくカルト宗教団体のソレではないか?アレな話で悪いが、非合法だが大きな見返りがある分そっちのがマシな可能性もある。

この、"企業との距離感"をどの程度求めるかの観点で、一概にベンチャー企業と言っても千差万別だったと1年かけて感じた。

今日話してきた様な企業の人事から見ると、ぼくは「大手に行くべき人間」「俗物(要約)」だったようだが、ぼくとしては上記の"合理的判断基準"に基づいて、ベンチャーで働きたいと今も思っている。

これこそ本当に価値観の違いとしか言えないだろうし、この記事を読んだ人がどう思うかも多分各々変わってくる。

そうした揺らぎを踏まえて、改めてベンチャー企業適性って何だ?とぼくは問いを投げてみたいのである。