学生読書日誌

ハッピーヘブンのふきだまり

主に読書感想文をかきます

本の話

書評『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』山口周

「優れた意思決定」の多くが、直感や感性によって主導されていたという事実によって私が伝えようとしているのは、決して「論理や理性をないがしろにしていい」ということではなく、「論理や理性を最大限に用いても、はっきりしない問題については、意思決定…

書評:『イシューからはじめよ』

「根性に逃げるな」(本文より) いかに社会人二回目の月曜日を迎えようかと気構えながら、日曜の夜に書いています。 昨日の今日でビジネス本の書評記事なんて、意識が高いというより浮き足立ってるって感じですが、絶望しているよりはきっと健全だろうし、…

最強のリテラシー教本『知的複眼思考法』

「自分で考えろ」というのはやさしい。「自分で考える力を身につけよう」というだけなら、誰にでもいえる。 そういって考える力がつくと思っている人々は、どれだけ考える力を持っているのか。(本文より) はい。 引用部分はまえがきからとったのですが、挑…

2017年読んだ本10選(後半)

kyuteisyukatsu.hatenablog.com 2017年に読んだ本を10個選んで紹介企画。 こないだ公開した記事の後編やっていきたいと思います。 『蜜蜂と遠雷』恩田陸 『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク 『銃』中村文則 『機龍警察シリーズ』月村了衛 『サピ…

古典SF『幼年期の終わり』 の感想・考察

うじうじと過去を懐かしむようなことだけはしたくなかった 。余生を過ごしていけるだけの物資はある 。 何より欲しかったのは 、電子ピアノとバッハの楽譜だった 。これまでは音楽に時間を費やすことができなかった 。それをいまから取り返そうと決めていた …

2017年に読んだ本10選 前半

あけおめです。三日坊主に定評のある自分が、なんやかんや一年ブログを継続してたっぽいです。 時分柄、それっぽいことをやりたくなったので、2017年に読んだ本の中からオススメを簡単に紹介しようと思います。 長いですがよろしければ。 5:5で前後半に分け…

『ライ麦畑でつかまえて』ネタバレ感想

「兄さんは世の中に起こることが何もかも嫌なんでしょう」(本文より) 最近、文末のバリエーションをはじめとした語彙力の不足による不自由を感じております。 なので、よりストレスフリーに書くために常体でやってみようと思います。 (「いや大してボキャブ…

現代の情報戦小説、『プロパガンダ・ゲーム』を読みました

お久しぶりです。最近、文章書いてお金になんねーかなぁとか思いつつクラウドワークスとかランサーズとかを眺めていたのですが、やっぱりああいうサイト経由の案件だと、時給制のバイトしてた方がいんじゃね?って思っちゃいますね笑それでいてノルマ縛りな…

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』を読みました

以前購入報告だけして、残り3分の1ページ程度で積んでいた本作ですが、ひとまず読みきりましたのでこれについて書こうと思います。学問としての文学、メタな視点、俯瞰的思考、哲学、皮肉(笑)などが好きな人にはすごくオススメの本でした。この本の主題はず…

伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』を読みました

この週末、仙台ではストリートジャズフェスティバルなる催しが行われ、街中は歌やアコースティックバンドで賑わい、夏の終わりの寂寥感を吹き飛ばす様な活気に満ちています。自転車移動が億劫になるレベルで道が混むのがたまにキズですが、こうしたイベント…

『読んでいない本について堂々と語る方法』をまだ読んでいません

ついに列島から雨雲が過ぎ去りましたね。家、バイト先、チェーン店を往復する最高に勿体無い夏休みを送っているインドア学生といえど、1ヶ月ぶりの快晴には心が踊ります。今日はピエール・パイヤール著『読んでいない本について堂々と語る方法』を買い、バイ…

柚木麻子『BUTTER』:しがらみに苦しむ現代人にオススメの直木賞候補作

"「何からも追い詰められていない人間を見ると心が苛立つように、誰かにコントロールされているみたい。前にダイエット強制するようなこと言ってごめんね。なんだかね、やわらかくて豊かでのんびりしていく里佳を見ると、不安になったの。恥ずかしいけど、私…

夏目漱石『私の個人主義』を読みました

就活の持ち駒が欠乏している状況ですが、構わず読書に浸っております。しゃーないっすね。夜行バス疲れたし。結局人生いかに(公共の福祉の範囲で)楽しむかですよ。他人との比較を辞めて、自分が充実できるコトを見出せてれば、多少内定が遅れたって大した問…

恩田陸『蜜蜂と遠雷』を読みました

"彼女はいつもあそこを見つめていた。 何が見えるのだろう。 今、何を見ているのだろう。 明石は不意に熱く苦いものが込み上げてくるのを感じた。 俺もあそこに行きたかった。彼女が見ているものを見たかった。 いや、ほんの一瞬かもしれないが、見たと思う…

月村了衛『機龍警察 完全版』を読みました

いきなりですが、皆さんには「自分はこう生きていくのだ」という強烈な行動原理、軸、生きる意味だというようなモノはありますか?それは夢でも、職業意識でも、宗教でも、人間関係でも、正義感でもプライドでも全く構いません。病気や障害であったとしても…

中村文則『教団X』を読みました

「誰に何と言われようとも、私は全ての多様性を愛する」(本文より) 今回は、芥川賞作家中村文則の『教団X』についての感想です。 (可能な限り)短めに締めようと思います。 この本は、著者が「現在の自分の全て」と語るほどの力作で、ぼく自身本屋で見たとき…

三島由紀夫『不道徳教育講座』を読みました

お久しぶりです。 就活やらなんやらで週一投稿が厳しくなってきましたが、ES入力フォームに中指立てながら、だらだらと続けていく腹づもりです。Webライターインターンとかもらえないかな? それにしても最近、アウトサイダー人間に傾いている気がします。書…

中村文則『悪と仮面のルール』を読みました

"……その人間が幸福だったか不幸だったかは、その人間が寿命とか病気とかで死ぬ寸前まで、わからないじゃないか。……何かの温度がさ、過去であれこれからの未来であれ、その人間の長い人生のベクトルの線のどこかに、いくつかあるはずだよ。"(本文より) 最近サ…

伊藤計劃の『ハーモニー』を読みました

もしかしたら、誰もがこのゲームから降りたがっていて、けれど世間の空気というやつがあまりに手ごわい関門なので、降りることを諦めてしまっているのではないだろうか。 人は見たいものしか見ない、なんて言葉は様々な作品でそれっぽく意味深に語られますが…

岸本佐知子『なんらかの事情』を読みました

駅前のカフェで本を2冊読む、文化的な休日を過ごしたので感想書いていきたいと思います。 今回読んだのは岸本佐知子の『なんらかの事情』。妄想とエッセイが半々になったような短編集です。 著者の岸本さんについては全く知らなかったのですが、本業は翻訳家…

芥川賞受賞作『コンビニ人間』を読みました

駅前の丸善で買った本が中々面白かったので、久々の感想文スタイルでいこうと思います。 今回読んだのは第155回芥川賞受賞作、村田沙耶香著、『コンビニ人間』です。 あらすじとしては、コンビニアルバイトだけが生きがいの36歳未婚女性の社会との関わり方の…